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２００４年１１月に角川書店から初版発行された、俳人市川葉さんの句集「小諸の空」です。

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本書は『楪』につづく私の第二句集です。句集名『小諸の空』は藤田湘子先生がつけて下さいました。私の住む小諸は海抜七百米近い高原の町。南に蓼科山、八ヶ岳を望み、北に浅間の連山が間近く聳えます。ここの空には邃さがあります。透明さがあります。よい題名をありがとうございました。『楪』以後の十五年は鍛えられ、育まれ、私にとって極めて充実した期間だったと申せましょう。あらためて鷹という大きな翼に抱かれている幸せを思います。（あとがきより抜粋）

市川葉は、つねに柔らかなまなざしをしている。作品の手ざわりもまた、柔らかくしなやかである。だが俳句はどれも、鋭い季節感と剛直な背骨に支えられている。著者が確乎とした作句基盤を持っている証と言えよう。《藤田湘子》

★湘子選十句
佐久平一歩に一個薯植ゑて
戸隠の祭の中を熊ん蜂
糸桜大事にされて神馬老ゆ
雪解靄物日のための鯉を飼ふ
工夫ありただの菜飯と思ひしに
日蝕に進む音なし蝶の昼
滑子汁ゐなかの顔となりしわれ
コード黒く大涅槃図のうしろより
きちきちの滞空時間いい加減
白菜も二男一女も佐久の貌

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他にも多くの書籍や雑誌などを出品いたしておりますので、そちらも是非ご覧ください。