シベリウス

交響曲第2番 ニ長調 作品43



指揮：レナード・バーンスタイン

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音：1986年10月 ウィーン（ライヴ）



20世紀最大のシンフォニストの一人、シベリウスは７曲の交響曲を作曲しました。その中で最も人気のあるのがこの第2番です。北欧の森や湖を思わせる大自然の雰囲気と、ロマンティックな詩情が美しく結晶した第２番、フィンランドを代表する国民的作曲家シベリウスの交響曲です。



バーンスタインは第2番を1966年にニューヨーク・フィルと録音しており、このCDは再録音盤になります。旧盤よりトータルで6分48秒も長くなった新盤は、この曲の最長記録？　遅めのテンポで雄大、テンポに緩急をつけて、濃厚な表情です。音色はつややかで明るめ。太陽が降り注ぐような暖かさを感じます。バーンスタインの表情の濃い凄絶な解釈は好みが分かれるかも知れませんが、晩年のバーンスタインが好きな方は第一に押す名演奏です。ウィーン・フィルの実力と優秀な録音も聴きどころです。



バーンスタインの晩年の演奏は、若い頃と比べると、おしなべて極端にテンポが遅くなっており、バーンスタイン独自の世界に入り込んでしまっているようなところがあり、曲によっては、付いていけないと思うかもしれません。この曲も、ご多分に漏れず、バルビローリ盤より7分22秒、ベルグルンド盤からは何と11分25秒も遅いテンポを取っていますが、バーンスタイン晩年の心境と重ね合わせたかのような、北欧の暗く重い鉛色の冬の空を思い起こさせる第1楽章から、繊細な美しさと魂のこもった崇高・荘重な第4楽章の感動的フィナーレまで、この遅いテンポにも一貫した説得力があり、遅さが全く苦になりません。サラっと流す演奏が多い中、歌いうねり咆哮する、ウィーン・フィルのパワーのすごさも感じます。遅い意味がちゃんとある、北欧系とはまた一味違ったスケールの巨大なシベリウスです。北欧の大自然の風景写真でも見ながら聴いてみるのも良いと思います。



国内盤、帯無し、盤面傷なし 4



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