■北極潜航
潜水艦ノーチラス、極点にあり
W.アンダーソン 著
今井幸彦 訳

光文社
昭和34年9月発行
定価 280円
227ページ
サイズ 135×193

◻︎成功にひそむ情熱の物語
一九五八年の暮、その年の十大ニュース』をきめる恒例の会議が共同通信で開かれた。海外10大ニュースでは問題が起きた。イギリスのフックス隊による南極横断とアメリカの潜水艦ノーチラスによる北極潜航のいずれをとるかで対立したからである。
フックス支持者は、ノーチラスの成功は今日の原子力潜水艦をもってすればあたり前だという人もいた。私にはこれはいささか当をえてないように思われた。コロンブスの卵ではないが、最初の成功の陰には必ず人知れぬ苦労や一か八かの勝負があったと考えたからである。そこで私はこの二つとも10大ニュースにはいるべきだと主張し、これは入れられた。
ノーチラスの成功当時は、ソ連の人工衛星に対抗して、アメリカがあまりに政治的宣伝を行なったため、私なども反感をもったのであるが、あらためて本書を冷静に読んでみたとき、やはりそこには、与えられた任務を忠実に、しかも情熱こめて遂行した人たちの物語があった。－訳者のことば－


・表紙カバーのスレ汚れ、縁の破れ、小口のシミ黄ばみ、ページ内一部シミ黄ばみがあります。

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