遠藤周作 「真昼の悪魔」 初版本・昭和55年・文芸春秋
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患者の謎の失踪、寝たきり老人への劇薬入り点滴……大学生・難波が入院した関東女子医大附属病院では、奇怪な事件が続発した。背後には、無邪気な微笑の裏で陰湿な悪を求める女医の黒い影があった。めだたぬ埃のように忍び込んだ“悪魔"に憑かれ、どんな罪を犯しても痛みを覚えぬ虚ろな心を持ち、背徳的な恋愛に身を委ねる美貌の女――。
現代人の内面の深い闇を描く医療ミステリー。
本文より
悪とは一体、なんだろう。世間で言う悪。たとえば何かを盗む。人をだます。それは相手には迷惑をかけるだろうが、それ以上の何ものでもない。悪というようなものではない。人を殺す。しかし人を殺すのはほとんど貧しさや憎しみや欲望が伴っている。それ相応の理由がある。それ相応の理由があって人を殺すことが悪だとはとても思えない。また人を殺してはいけないと言うのは社会の秩序を保つため、たがいの身の安全を保証しあうための約束事にすぎないから、これを破っても良心をえぐるような辛さを感じるとはとても思えない。……
文庫本「解説」より
(遠藤周作は)エンターテインメントの作品においてもカトリック作家としてのテーマを追求しているが、ここでは現代人の心の荒廃にするどくきりこみながら、現代社会のどこにでも存在しているのに眼にみえない悪について語っている。西欧のキリスト教を日本の文学に根づかせようと努力してきた彼は、この作品では、現代日本の医療問題を素材として、主人公の女医と彼女を囲む病院のあり方に焦点をあてているのである。
――尾崎秀樹(文芸評論家)
文芸駿樹・昭和55年12月初版発行の遠藤周作「真昼の悪魔」です。経年のヤケが少しありますが、シミや書き込み、蔵書印などはありません。
44年前の古書であることをご理解の上、購入の検討をお願いいたします。
現代人の内面の深い闇を描く医療ミステリー。
本文より
悪とは一体、なんだろう。世間で言う悪。たとえば何かを盗む。人をだます。それは相手には迷惑をかけるだろうが、それ以上の何ものでもない。悪というようなものではない。人を殺す。しかし人を殺すのはほとんど貧しさや憎しみや欲望が伴っている。それ相応の理由がある。それ相応の理由があって人を殺すことが悪だとはとても思えない。また人を殺してはいけないと言うのは社会の秩序を保つため、たがいの身の安全を保証しあうための約束事にすぎないから、これを破っても良心をえぐるような辛さを感じるとはとても思えない。……
文庫本「解説」より
(遠藤周作は)エンターテインメントの作品においてもカトリック作家としてのテーマを追求しているが、ここでは現代人の心の荒廃にするどくきりこみながら、現代社会のどこにでも存在しているのに眼にみえない悪について語っている。西欧のキリスト教を日本の文学に根づかせようと努力してきた彼は、この作品では、現代日本の医療問題を素材として、主人公の女医と彼女を囲む病院のあり方に焦点をあてているのである。
――尾崎秀樹(文芸評論家)
文芸駿樹・昭和55年12月初版発行の遠藤周作「真昼の悪魔」です。経年のヤケが少しありますが、シミや書き込み、蔵書印などはありません。
44年前の古書であることをご理解の上、購入の検討をお願いいたします。
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