70年代に20作品ばかりの作品をリリースしただけですが、スピリチュアル・ジャズの名門レーベルとして現在も再発され人気の高い Black Jazz Records より1974年に発表された、レーベルの最後を飾る作品が、ダグ・カーン "Adam's Apple"。
ムスリム名 Abdul rahim ibrahim の名義で77年 Tablighi Records よりリリースされた "Al Rahman! Cry Of The Floridian Tropic Son" も併せて出品します。

まずは Adam's Apple。カマシ・ワシントンの源流のひとつは、まちがいなくこれでしょう。ミスティックな装いが全体を包むなか、ファンキーであったりメロウであったり。重厚でありながら軽快なボーカル＆コーラスを載せたサウンドが、リスナーをどこかへ連れて行ってしまう感こそスピリチュアルですが、そこは多幸感にあふれる場所。Earth,Wind & Fire "Mighty Mighty" カバーやラストの "Western Sunrise" などフロア対応もばっちり。オルガン・プレイヤーとしての真価をも発揮。
ダグ・カーンならびにスピリチュアル・ジャズの最高傑作。

Al Rahman! … は前作よりカラフルでバラエティに富む、こちらもすばらしい名作。冒頭、80年代ヒップホップのオープニングみたいな出だしからメロウなナンバーにすすむ、きもちいい曲です。次いでハピネス極まりないピアノのイントロが印象的な、トロピカルなファンキー・ジャズ。この１曲だけでも本作を聴く価値あり。スピリチュアルな雰囲気は後退した感もありますが、その分肩ひじ張らずにたのしんで聴けるレア・グルーヴ傑作盤です。

いずれも中古盤。ジャケ、盤ともに状態は良好。針飛び、際立ったノイズなど、視聴に困難をきたすダメージは聴かれませんでした。ジャケに目立つダメージなし。

Adam's Apple は97年の再発盤。P-Vine が国内配給した盤で、若杉実さん解説＆英歌詞記載のライナー付き。ライナーに２点の染みあり。
Al Rahman! … は恐らく08年の再発でリリースは Heavenly Sweetness というレーベルから。

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