ベートーヴェン

交響曲 第9番 ニ短調 作品125 《合唱》



指揮：クリストフ・フォン・ドホナーニ

クリーヴランド管弦楽団

クリーヴランド管弦楽団合唱団

ジークフリート・イエルザレム(テノール)

キャロル・ヴェイニス(ソプラノ)

ロバート・ロイド(バス)

ジャニス・テイラー(メッゾ・ソプラノ)

録音：1985年10月



美しい「第九」を聴きたいとお思いなら、まずこのドホナーニ盤をオススメしたいです。これほど美しい「第九」は他には見当たりません。ベートーヴェンが書いたスコアの細部にも徹底的にこだわり、整然とそれを積み上げ、巨大な構築物をこれほど美しく聴かせる手腕は相当のものです。もちろん美しいだけではなく、第1楽章や第2楽章では、しっかりパンチが効いているし、第3楽章は「美しい」という言葉に何を付け加えるべきか悩むほど、第4楽章はしっかり盛り上がり「熱い」演奏になっています。ベートーヴェンもこれを聴けば、「これが思い描いた理想の第九だ！」というかもしれません。



全体的には、ドホナーニらしく冷静な少し醒めた演奏かもしれませんが、１楽章冒頭の音からその美しさに息をのみます。この曲の演奏ではモノトーンな旋律で塗り固めて情動的に煽るアプローチが少なくありませんが、ドホナーニは、複数の旋律が絡み合うところなどその一つ一つにくっきりと輪郭を持たせ、この曲のスコアに内在的に潜んでいるダイナミズムを引き出しています。ドホナーニ＆クリーヴランド管弦楽団はおそらく８０ー９０年代の究極のコンビネーションだったと言っても過言ではありません。もちろん歌も魅力的で、たとえば４楽章の９分半が経過したところから始まるテノールのソロでは、まだバイロイトのトリスタンで声を嗄らす前の若きイェルザレムが朗々と張りのある声を聴かせている。録音もテラークの優秀録音で残響が豊かにとられており、とて'も８０年代半ばとは思えません。



輸入盤【廃盤】【希少盤】13

★盤面すれありますが再生問題無し【試聴確認済】



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