底に篆書体（てんしょたい）による長方刻印「荊渓恵孟臣製（けいけいけいもうしんせい）」がある茶壷（急須）の出品です。

中国茶壷に精通されている方なら、長方刻印の特徴などから容易に特定できるのでしょうが、出品者には篆書体はなかなか難解です。



「荊渓」は「宜興」の昔の呼び名、「恵孟臣（ホイ・メンチェン）」は明時代末期から清時代にかけて茶壷の基礎を発展させた現在でも名高い陶芸家で「孟臣」はその名前、今まで多くの陶芸家が「恵孟臣」の技術・流儀の研究を深めながら茶壷制作に挑み、「恵孟臣」を尊崇する証とし作品に「荊渓恵孟臣製」を刻んだ、といったことが解説されています。



出品商品の具体的な製作時期などは不明です。口の縁にわずかに汚れが見られますが、茶壷全体にキズや欠けなどは見られず、未使用に近いと思われます。最後の写真で、底に細いスジが見られますが、ヒビではありません。製作時のものだと思います。なお、漏れのないことは確認済です。

大きさは約、高さ６ｃｍ、最大幅（持ち手から注ぎ口）９．５ｃｍ、胴径６cm、壷口径３．５ｃｍ、重さ約６０ｇ、容量５０ｃｃ程度です。



小ぶりで、姿形が美しい上品な茶壷だと思います。この茶壷をコレクションに、置き物に、お茶道具にいかがでしょうか。ご使用に際しては洗浄、手入れをお願いします。