シューマン

①交響曲第2番ハ長調 op.61

②チェロ協奏曲イ短調 op.129



ミッシャ・マイスキー②

指揮：レナード・バーンスタイン

ウィーン・フィルハーモ管弦楽団

録音：1985年10月、11月ウィーン（ライヴ）



シューマンが精神疾患に悩んでいた時期に作曲され、暗黒から光明に向かおうとする闘争記的な性格を帯びた交響曲第２番。晩年のシューマンの心情を鮮明に描き出したチェロ協奏曲。バーンスタインはウィーン・フィルの見事な合奏力を生かし、シューマンの詩情を情感豊かに熱気を以て表現しています。若き日のマイスキーの独奏も特筆に値します。2017年刊行の名曲名盤500では①が第1位、②が第2位に選定されています。



バーンスタインはこのとほかシューマンの交響曲第2番を愛好しており，マーラー「復活」を得意曲とする以前の，バーンスタインの主要レパートリーであった。それだけにこの二度目の全集録音中の演奏も，作品を完全に手中に収めた上で，まるで自らの作品のように強烈な自己主張を行っている。この作品についてしばしば言及されるとりとめのなさ，病的な気分が一掃され，抗い難い運命に雄々しく立ち向かって行く圧倒的気迫に満ちている。この曲の第1楽章は異常にスフォルツァンドが多く，ベートーヴェンのエロイカに通じるとする評価もあるが，バーンスタインの第1楽章はまさに英雄的だ。第2楽章のテンポとリズム変化の面白さも見事に生かされ，コーダの猛烈なアッチェレランドは痛快の極み。濃厚なアダージョはバーンスタイン節が堪能され，豪放で健康的なフィナーレの最後には，金子健志氏が「ショスタコーヴィチのようだ」と呆れたり感心したりした。大きくテンポを落としてティンパニを強打する，ショスタコ「革命」のエンディングのような終結がやって来る。全体に，エネルギッシュで暑苦しい響きが，ややシューマンからの逸脱感もあるが，感動的でかつまた楽しい演奏である。この曲が好きでいろいろ聞いておられる方なら，この演奏を逃してはなるまい。ウィーン・フィルもバーンスタインの情熱に熱演で応えている。



国内盤、帯無し　8

盤面微すれありますが再生問題無し



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