2004年初版第1刷。帯つき、きれいな本です。（ただし、①カバーの縁に少し微シミ汚れ、②帯の縁に少しスレあり）



「モノづくりの極意、人づくりの哲学 : 21世紀の「モノづくり」は日本を中心に回る」

前川 正雄

定価: ￥ 1800



前川製作所は、産業用冷却装置メーカーとして国内のみならず各国に顧客を有する世界企業である。冷凍船用の冷凍庫では、実に世界シェアの約80％を占める。「国内では無名に近いが海外ではよく知られている中小企業」が我が国には少なからず存在するが、同社はその代表選手である。本書は、同社を育て上げ、現在は取締役名誉会長に就く著者の特異な企業理論と世界観をまとめたもの。自らが「この本で書こうとしていることは、一般的ないわゆる経営書とは異なる」と断言しているように、その論述は生物学的な見方を原点として、産業史観、共同体論、文化論にまで広がっていく。

　著者は企業を「生物の一種」ととらえている。その結果到達したのが「マエカワの共同体世界」であるという。企業人に必要なのは、利益のみを追求する競争的な企業観ではないとし、「企業は環境変化に適応して生き続ける生き物である」という持論を披露する。こうした認識について、同社の戦略やモノづくりの具体例を示しながら、それを今日の世界情勢に連関させる論法で解説していく。現在の前川製作所が100社を超える集合体であり、それが市場と一体化した構造を持つ「生き物」であることを、「階層と開放」という性質をキーワードにして説く。



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