ブルックナー：交響曲第７番　ノヴァーク版
ラモー（クレンペラー編曲）：ガヴォットと６つの変奏曲

オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団


クレンペラーのブルックナー録音中、最もまともなのが交響曲第7番。ブルックナーにしては少々冷たいなどという意見もありますが、この醒めたバランス感覚はクセになります。美しいメロディを持つがゆえに、主旋律ばかりが強調されてきた悲しい過去を持つ傑作に対し、クレンペラーのアプローチは常に公明正大であり、どこをとっても構成要素が手に取るように判るのが嬉しいところ。基本的にはノヴァーク版に準拠しています。
　組み合わせのラモー《ガヴォットと変奏》は、クレンペラー自身による編曲ですが、そこに漂う哀感は、一聴の価値あるたいへんに美しいものです。