壬申の乱を経て、藤原京、平城京へと目まぐるしく都が遷る激動の時代。その裏では、皇位をめぐって歴史の節目となる大変革が進行していた。繰り返される裏切り、陰湿なる策略。矢面に立たされた氷高皇女が女帝・元正天皇となり、自身のすべてを政治活動に捧げ、守り抜こうとしたものとは何だったのか――。悲劇の女帝を描いた長篇歴史小説。



とても美しい人だったと伝えられる元正天皇の生涯を描いた歴史小説です。美貌で誇り高い元正天皇の立場から、飛鳥時代後期から奈良時代前期に移り変わる古代日本の皇位継承をめぐる争いを描いていました。この時代は持統天皇から聖武天皇に至る時代はマイナーと言っても良いと思いますが、その間の時代でも濃厚な人間ドラマがあったのでしょうね。分かりやすい文章だったので、長編にも関わらず一気に読めました。





著者 永井 路子



１９８８年８月　初版です。



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