中国の人と思想④ 『老子』(ろうし) 楠山春樹著 集英社
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表紙の後ろの上部に折れたような跡があります。
日焼け、シミ、汚れは特にありません。
老子は政治からは離れ、自然を愛し、無為自然(むいしぜん)を理想としました。
老子の思想が道教の核になり、中国では儒教、道教、仏教が三大宗教です。
風水や占いは道教の専売特許で、身分の低い庶民に広まりました。
上善は水の如し(じょうぜんはみずのごとし)で火のよう煙をあげて高く天に昇ろうとするのではなく、器に合わせて形を変えながら低い方へと流れて行き、自然に身を任せて最後は大海と1つになるのが理想だとする思想です。
弟子の荘子(そうじ)と合わせて老荘思想(ろうそうしそう)と呼ばれます。
柔よく剛を制す、無用の用など、我々が要らないと思うものに価値がある事を主張し、太極図(たいきょくず)のように火と水、陽と陰、男と女、生と死が1つであると主張します。
この老荘思想と結びついた仏教が禅(ぜん)で、枯れ葉や虫食いなどの樹々の風景も、汚いものだと排除するのではなく、それをそのまま受け入れて、わび・さびが生まれます。
道教では不老長寿の仙人を目指して修行しますが、禅は死を受け入れる思想で、道教から影響は受けつつ、辿り着いた答えは正反対なのかもしれません。
室町時代から鎌倉時代の武士は禅を学び、武士道に影響を与えます。
禅の公案で一休さんが、「うろじより むろじへかえる 一休み 雨降らば降れ 風吹かば吹け」と答えて一休という名前を貰います。
この世で過ごす時間など、無の世界から生まれて来て、無の世界に死んで行く、一休みの時間でしかなく、雨が降ろうが風が吹こうが大した事はないという意味です。
道元の禅を深く学んだ松尾芭蕉(まつおばしょう)は真っ黒なカラスや、枯れ枝や、古池、蛙(かわず)、蝉(せみ)、岩など、美しくないものを題材に美を表現する俳句を沢山詠み、人々を驚かせました。
夢窓疎石(むそうそせき)の庭園は、水の枯れた岩や砂など、死を連想させるもので生を表し、枯山水(かれさんすい)と呼ばれ、言葉で表されず、目に定かに見えなくても、心に感じる美しさの幽玄思想(ゆうげんしそう)へと繋がり、伝統芸能である能(のう)へと引き継がれて行きます。
猿田彦大神と天細女(あめのうずめ)は道教の神として芸能を司ります。
その根本が、全て老子だという事です。
日焼け、シミ、汚れは特にありません。
老子は政治からは離れ、自然を愛し、無為自然(むいしぜん)を理想としました。
老子の思想が道教の核になり、中国では儒教、道教、仏教が三大宗教です。
風水や占いは道教の専売特許で、身分の低い庶民に広まりました。
上善は水の如し(じょうぜんはみずのごとし)で火のよう煙をあげて高く天に昇ろうとするのではなく、器に合わせて形を変えながら低い方へと流れて行き、自然に身を任せて最後は大海と1つになるのが理想だとする思想です。
弟子の荘子(そうじ)と合わせて老荘思想(ろうそうしそう)と呼ばれます。
柔よく剛を制す、無用の用など、我々が要らないと思うものに価値がある事を主張し、太極図(たいきょくず)のように火と水、陽と陰、男と女、生と死が1つであると主張します。
この老荘思想と結びついた仏教が禅(ぜん)で、枯れ葉や虫食いなどの樹々の風景も、汚いものだと排除するのではなく、それをそのまま受け入れて、わび・さびが生まれます。
道教では不老長寿の仙人を目指して修行しますが、禅は死を受け入れる思想で、道教から影響は受けつつ、辿り着いた答えは正反対なのかもしれません。
室町時代から鎌倉時代の武士は禅を学び、武士道に影響を与えます。
禅の公案で一休さんが、「うろじより むろじへかえる 一休み 雨降らば降れ 風吹かば吹け」と答えて一休という名前を貰います。
この世で過ごす時間など、無の世界から生まれて来て、無の世界に死んで行く、一休みの時間でしかなく、雨が降ろうが風が吹こうが大した事はないという意味です。
道元の禅を深く学んだ松尾芭蕉(まつおばしょう)は真っ黒なカラスや、枯れ枝や、古池、蛙(かわず)、蝉(せみ)、岩など、美しくないものを題材に美を表現する俳句を沢山詠み、人々を驚かせました。
夢窓疎石(むそうそせき)の庭園は、水の枯れた岩や砂など、死を連想させるもので生を表し、枯山水(かれさんすい)と呼ばれ、言葉で表されず、目に定かに見えなくても、心に感じる美しさの幽玄思想(ゆうげんしそう)へと繋がり、伝統芸能である能(のう)へと引き継がれて行きます。
猿田彦大神と天細女(あめのうずめ)は道教の神として芸能を司ります。
その根本が、全て老子だという事です。
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