〈解説文は全て独自で書いております。無断使用はご遠慮下さい。〉

★昭和49年第4刷発行。紙カバー付き。
★カバー＝背ヤケ、背の天地にヨレ傷汚れ有。
　　　　　表面にスレ傷汚れ有。角スレ小破れ
　　　　　有
★本体＝三方にヤケシミ汚れ、角スレ、紙面黄変
　　　　見開き、見返しにシミ汚れ有。
　　　　見返しに記名、落書き、巻末の本紹介欄に
　　　　も落書き有。

　上記以外、製本は堅牢でご愛読に支障は御座いません。然し乍ら、50年経過の古い本です。経年の汚れ等御座います。傷、汚れが苦手な方はお避け下さい。

　ベトナム戦争について、子供さんにも分かりやすく伝えられた絵本です。皆様は、歴史の授業でベトナム戦争の詳細な内容まで教えられた経験はお有りでしょうか？

　私は、第二次大戦に比べてあっさり通過された記憶があります。1955年から1975年まで、20年もの間の長期戦。私が幼稚園の時にTV等でニュースがあった筈なのに、ほぼ記憶がないのです。

　本書は、反戦小説を沢山執筆なさっている早乙女勝元氏が、昭和46年にブダペストの平和大集会の取材で訪れた際に巡り会ったのが、ダーちゃんです。ダーちゃんは当時13歳の少女でした。

　彼女が経験した戦争の実体験を絵本にしたものが本書です。もう、これは読んで頂くしかその辛さ、苦しさは分からないと存じます。妹を庇って死んだ母の下から、小さな妹を救い出して背負って戦火の中を逃げたダーちゃんの気持ち。

　また、アメリカ兵が倒したベトナム兵の耳を切りとって持っていったとか、女の人のアクセサリーをもぎ取ったとか、悲惨な実態も書かれています。

　戦争は、探っていくと、日本軍がしていたあまりに惨憺たる所業に慄き、また、太古の昔の部族間争いに至るまで、なんで？としか思えない残酷さに胸が重たくなること必至です。

　子供たちにどう伝えるか。子どもには綺麗なものしか見せない、教えないでは歴史の轍を踏むことが出来なくなります。

　本書のような、絵本を通して人間としてどうあるべきか、良心の持ち方を教えてくれる、真実味を持って語られる本は、近年非常に減っていると思います。集まりでの読み聞かせにも良い、貴重な内容の絵本と存じます。

　状態は、上記★書きと、画像よりご判断下さい。

　古書にご理解のある方との、嬉しいご縁を心よりお待ち致しております。