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院内刑事

院内で起こるパワハラ、セクハラ、喧嘩、暴力団対策などの対応をしてく専門部署に元元公安の刑事・廣瀬がリスク管理責任者として配属されているという話です。

物語はフライト中の機内で脳梗塞に倒れた財務大臣（麻生副総理がモデルであるコトガモロわかり）が病院に搬送されてきたのですが、無事快癒します。ところがこの大臣の体内から毒物が検出されたことから、要人暗殺未遂事件とが浮かび上がってきます。廣瀬は財務大臣の政敵の仕業ではと検討を付け古巣の警視庁の幹部に連絡を付け捜査を依頼します。ここからは事件は実に「院外」で繰り広げられるのです。

事件を捜査するのは禍根の失敗で閑職に追いやられていた刑事・秋本。事件は大臣の地元福岡での政争に及んでいきます。



ブラック・メディスン

今回は7つの短編集で、院内で起きるセクハラ医師、暴力団関係者、モンスターペイシェントなど病院トラブルに対して広瀬と院内警察が時には人情に訴えて、時には公権力をかさに着て解決していきます。

まず看護師が入院患者の古川原からセクハラを受けたとの報告が広瀬のもとに届くことから物語は始まります。調べると横浜中央医療センターから紹介されて転院してきた古川原は、暴力団の若頭補佐。廣瀬の指示で院内刑事の横山が動き、古川原を強制退院させるのですが、翌日、古川原は殺害されます。古川原の転院元の医浜中央医療センターが暴力団麦島組のフロント企業だと分かり、きな臭い雰囲気をまき散らします。

　これらの院内での事件の話だけで結構面白かったのですが、本小説の底流を流れているのは特にジェネリック医薬品の製造と流通に関する闇。最後の7話目で駆け足で解決させますが、中国や北朝鮮が一般病院にネット攻撃を仕掛けてくるとか、大掛かりな話に進展します。政界・財界のあらゆる方面にパイプを持ち、情報を手に入れ冷静に対処していく廣瀬のスーパーマンぶりは颯爽としています