定価1800円＋税

ピアノやヴァイオリンなどが現在も研究、改良を続けられているのと同様に、エレクトーンもまた、作曲者や演奏者の音楽性をよりよく反映し、あるいは引き出すための改良を重ねていくことでしょう。それはひとつの楽器として自然であり、必然でもあります。また、パンコンをはじめとするさまざまな電子機器の間にあって、エレクトーンも常に新しい可能性に向かって開かれていると言えます。
しかし、一個の楽器としてのエレクトーンは、揺るぎないいくつかの要素を既に確立しています。基本的には足鍵盤を含む3段鍵盤の薬器であること、その3段鍵盤で持続音でも減衰音でも扱えること、そしてその鍵盤は奏者のタッチの違いを感じとり、それを音に反映できること等々。これらはみな、エレクトーンの音楽の個性を特徴づけ、豊かなものとしてくれる大切な要素です。
本書は、エレクトーンのこうした要素を充分に理解し、最大限に生かして音楽表現することを目指して編まれました。本書を通じて、多くの人がエレクトーンとこれまで以上に深いところでかかわり、エレクトーンを演奏する楽しさと音楽の歓びに触れられることを、編集者一同心より願っております。


作曲者

近藤密（T.K）
鳥居達子（S.T）
平沼由利（Y. H.)
森松慶子