〈解説文は全て独自で書いております。無断使用はご遠慮下さい。〉

①「ドリトル先生の楽しい家」
★1974年第16刷発行。函付き。
★函＝背に破れ有り。全体にスレ傷汚れ、傷み有り
★本体＝三方にヤケ、シミ汚れ有り。本文内は
　　　　紙面黄変、周辺部にヤケ有り。

②「長い長いお医者さんの話」
★1973年第11刷発行。函付き。
★函＝背に破れ有り。全体にスレ傷汚れ、傷み有り
★本体＝三方にヤケシミ汚れ有り。本文内は
　　　　紙面黄変、周辺部ヤケ有り。

★★上記以外、製本は堅牢で、本文内目立つシミ汚れ等なく、ご愛読に支障は御座いません。然し乍ら、函の傷み大、50年経過の品です。経年の傷み等気になる方はお避け下さい。

　ドリトル先生は、動物と会話をし、世界一の名医で有りながら、人間社会との煩わしい接触を嫌い、
優しく博学な人物です。

　にも関わらず、女性蔑視がどうしても出てしまう方です。（アフリカ行き、の妹のサラの描写と言い、本作中の犬に香水を振りかける女性と言い、何だかなあ？と思ってしまうのです。）

　実際、女権拡張家の女性が出てきたり（決して好意的な目ではありません）、本書はロフティング氏の死後、その夫人が遺稿を精査補填してまとめ上げたものですが、作者に忠実に成されたものなんですね。

　動物や昆虫にまで愛の溢れる作者なのに、白人男性至上主義的な面が出てしまっているのは残念ですが、全て時代のせいなのでしょう。

　とは言え、内容はこの一冊で十分楽しめる短編集となっています。動物が理路整然と話す内容は、興味深く、心躍るお話です。

　「長い長い」の方は機知に富んだチャペックの、楽しいお喋りを聞くような、軽妙な良さが有ります。

　挿話として語られる、ソリマンのお姫様のお話では、常識的な木こりが名医と間違えられて、姫の重病の治療に駆り出されるとんでもないお話。

　めげずに、自分の出来ることをする！という姿勢が素晴らしい。

　木こりのお弁当のチーズ付きパン、この一節を織り込むことで、童話としての楽しさが倍増です。愛蔵版ならではのカラー挿絵もお楽しみください。

　2冊とも、古い本です。函の傷みはあるものの、本体の状態は、経年比で良好ですが、状態は上記★書きと、画像よりご判断下さい。

　古書にご理解のある方との、嬉しいご縁を心よりお待ち致しております。