東宝特撮映画　
三大怪獣 地球最大の決戦 昭和39年公開映画

東京オリンピックの余韻冷めやらぬ1964（昭和393）年12月に公開された、ゴジラシリーズ初の東宝正月映画第1弾。シリーズ前作「モスラ対ゴジラ」の世界観を踏襲し、そこに国産初のカラー怪獣映画として名高い『空の大怪獣 ラドン』を8年ぶりにカムバックさせ、「ゴジラ・モスラ・ラドン」という東宝が生んだ三大怪獣スターを初競演させた。さらに、初の東宝怪獣オールスター映画にふさわしい悪役新怪獣として、ゴジラ最大最強のライバルといわれる宇宙からの侵略怪獣キングギドラがデビュー！

人類をはじめ一度は互いに敵対した三大怪獣が、時代の流れで地球共同体＝コスモポリタニズムの共同戦線を結び、人類と地球怪獣共通の敵キングギドラを撃退するという、超スケールの迫力と面白さを盛りこんだ史上空前の怪獣映画となった。

本作品は、新怪獣を一枚看板に掲げた昭和30年代から次の昭和40年代への転換期に作られた、怪獣映画バトルの新ラインをゴジラシリーズに敷いたエポックであり、これ以降ゴジラシリーズは、毎年12月公開の東宝正月映画第1弾として、当時の怪獣ブームに先頭をつける形で4年間連続で製作された。

キャストでは『モスラ対ゴジラ』で特撮初出演の星由里子が敏腕放送記者、おなじみのザ・ピーナッツが小美人、モスラ映画レギュラー博士役の小泉博が大学助教授でふたたび登場、家族揃って楽しめるゴジラシリーズの顔となった。一方、夏木陽介は『宇宙大怪獣 ドゴラ』につづいて刑事役で登場、王女役の若林映子と「ローマの休日』を髣輩とさせる芝居を披露した。