明治期のジャパンクタニを彩る九谷焼の名工で知られた初代須田青華（1862ー1972）の佳品です。伊万里と関連がある吸坂手の技法にて作られ、錆び釉を全体に掛け一部を白抜きし、その空間に色絵を用い落ち着きの中にも洒落た姿をのぞかせる一枚となっています。色絵部分は古九谷を意識させた作行きで本歌のようなカセた風合いを巧みに醸しています。

初代青華は色絵や染付、中国万暦、古九谷、古伊万里、鍋島などの写しが非常に巧みで明治期の名工と称されました。また、北大路魯山人に陶芸の手ほどきをし、彼の作陶へのきっかけを作り亡くなるまで交流が続きました。

高台には海外を意識し、大日本青華と力強い筆にて銘が描かれ、ヨーロッパ諸国へ自分の作品を見てもらうんだという気概が伝わるようです。この書きぶり当方は初見です。

また、古い時代に海外のオークションにて扱わた証のシールが二枚貼られていたのだと思いますが前の所有者が剥がしてしまったのかと思われます。勲章になるので本当は剥がさないほうがいいのですが一般の所有者は結構知らないで剥がしてしまう事が多いですね。里帰りもさることながら初代青華の古い作品は近年あまり出回らないので興味ある方は買って間違いはないと思います。直径約34.2㎝、高さ約7.2㎝、無傷。

種類...陶器

種類...磁器

種類...皿/プレート

種類...中皿

種類...大皿

焼き物...九谷焼