かのマイルス・デイヴィスに「ジャズ界8番目の不思議」と言わしめ、毎晩彼の演奏が聴きたいがためマネージャーになりたいぜ、などとアルフレッド・ライオンをしておもわしめた、ジャズ・オルガンのイノベーター、われらが御大ジミー・スミス（1925-2005）。
毎日１作品、御大のアルバムを出品していく祭を不肖ながら開催いたします。

本日、第９回分は "Jimmy Smith & Eddie Harris – All The Way Live"（
Milestone 1996）。

Vee Jay、Atlantic などで活躍したサックス奏者エディ・ハリス、後期の御大を支えたケニー・ディクソンがドラム、のトリオ作。81年サンフランシスコのキーストーン・コーナーでのライブ音源です。
晩年といっても便宜上のことで、実際はまだまだ元気な御大です。汗をハンカチで拭いつつハモンドB3と格闘する姿が目に見えてくるよう。エディさんのテナーは難しいこと抜きに楽しめる、パワフルでファンキーな演奏。すごいソロをかましてくる『枯葉』とかバラードの『Old Folks』なんてスタンダードも交えつつ、観客にカウントさせつつ盛り上がる『8 Counts For Rita』や『The Sermon』もぶっ込んでファンを喜ばせてくれるわけです。
いつだったかのキーボード雑誌で、オルガニスト河合代介さんが本作を推薦していたのを読んで買ったんだっけ。河合さんありがとう、いいアルバムです。

御大コソコソ噂話：
御大がインタビューで、なんで俺がずっと仕事を続けてこられたのかわかるか、なにひとつ変えなかったからだ、といったという記事を読んだ記憶がある。これまで出品してきた作品も本作も、内容はすべておなじ。共演メンバーと演奏曲がちがうだけ。長いキャリアのなかで御大がやってきたことはただひとつ、ハモンド・オルガンを鳴らしてモダン・ジャズに挑むこと、これだけである。すごいことだ！

中古盤になります。盤にダメージはなく、当方のシステムで問題なく再生できました。輸入盤です。