幻の銘器697Zです。Googleで「ysl-697z 897z 違い」等で三語検索かけて頂くと岩崎氏の解説が出てきますのでリンク含めお読み下さい。一番の魅力はスライド中管ストッキング部とスライド外管のクリアランスを通常品の1/4にした凝った造りから生み出されるタイトな響きにあると思われます。コンパクトな吹き方で、どれだけ心地良い響きが鳴らせるか？という課題において、これに勝る楽器もないと思います。

特に2nd以下のアンサンブルの上にふんわり乗ってソプラノ的役割で歌い上げるジャズ1stや、ピアノ伴奏だけでメロディーを奏でる目的では他に代え難い機種だと思います。

出品の個体は私がビッグバンドでメインで使っていたもので、私が思うに、このように「ふんわり」演奏するに、音の柔らかさ、微妙な表現を可能にする反応の繊細さは本当に絶品でした。

https://youtu.be/USDx9BY_npQ?si=Jt7sDjnVKc-jvGtU

あるいは単独でご機嫌に演奏する場合も素晴らしい音色で応えてくれました。出品の個体による演奏例です。

https://twitter.com/wohya/status/1738722943973433605

あまりにもこの機種が気に入り、予備の個体まで保有していましたが、このたび名残惜し過ぎますがメインのこの個体も出品します。

何故ならこの楽器の良き持ち主として添い遂げるには私は「パワーヒッター」過ぎました。テナーバスでの演奏例ですがここまで鳴らせる人間も珍しいと思います。

https://twitter.com/wohya/status/1662089132338987008

今楽器の価格が物凄い勢いで上がっており、現金のまま持っていても仕方ない、今のうちにと色んな楽器を購入して試した結果、繊細なこの子は、もっと合った人の元に行った方がきっと幸せだという結論に至りました。

傷はバランサーが評判のTrombilizerに換装されたための明確な線傷とケース尻の割れが入手した時からあり、お陰で思い切って使うことができました。それ以外は余程よく見ないと傷も劣化もわかりません。こんな状態の良い個体はたぶんもう二度と出ないと思います。手放すことになるとは夢にも思っておらずガンガンに使っていたケースは擦り傷多いです。

本体とケースと選定証書のみ。必要な方に。