マイゼンタールはドイツと国境を接するフランスのアルザス・ロレーヌ地域の山あいにある小さな村で、この地がアールヌーボーのガラス作品の発祥の地なのです。アールヌーボーの鬼才、天才にして巨匠のエミール・ガレがガラス製品・工芸品の制作に若き27年間心血を注いだ地なのです。ガレはこの地の工房から数々の名品を生みだし、それらを世に問うては高い名声を獲得していきました。そしてついには、その名をヨーロッパ中に轟かせるほど、アールヌーボーの旗手として不動の地位を築いたのです。マイゼンタールはエミール・ガレを育て成長させたアールヌーボーの源泉の地なのです。

ガレがナンシーに居を移すまでの27年間活動を続けた、そんなマイゼンタールを私が訪れたのは1989年でした。かつてガレが活躍していた当時の工房は、当然ながらとっくの昔に閉鎖されたていましたが、訪問時は将来のガラス製造職人の養成所として形を変えて、やはりガラス製造に関わる活動が継承されていました。

工房の脇には数々の作品が展示即売されており、そこで購入したのが今回の出品作品です。これらのグラスはそこで腕を磨くことに邁進している若き職人の卵たちが製作したものです。グラスの表面には、アールヌーボー期の作品にもしばしば描かれていたる森に生きる動植物が削り加工で蘇っています。ちなみに現在、マイゼンタールのこの跡地には美術館をはじめ3つの施設が建設され稼動しています。

このような経緯で手に入れた今回出品のリキュールグラスは、日本においては他では見ることさできない希少かつ貴重な唯一無二の存在と確信しております。

リキュールグラスは日本人にはなじみがあまりないですが、ヨーロッパ風の食事を好まれる方には取り揃えたいアイテムではないでしょうか。
また日本食を好まれる方には、一風変わった冷や酒のオチョコグラスとしての出番はないでしょうか？

サイズ慨寸……高さ10.5ｃｍ、上部直径3ｃｍ
容量……約55ml
6個のグラスの中で、きわめて小さいカケやキズが2、3ヵ所確認されています。
付属ケースはございません。