シベリウス

①交響詩《フィンランディア》作品26

②トゥオネラの白鳥 作品22の2

③悲しきワルツ 作品44の1

④交響詩《タピオラ》 作品112



指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1984年録音



北欧の雄大な自然、あるいは透明な叙情、深い憂愁など、シベリウスの音楽には、祖国の風土や人々への愛情がみなぎっていて、聴き手な心に深く迫ります。カラヤンの演奏は、劇的な情熱と優美な叙情を共感豊かに表現しています。シベリウス入門にも最適な1枚です。



フィンランドの第2の国家とも言われる交響詩「フィンランディア」をはじめとする管弦楽作品を収録。故郷フィンランドへの愛や母国の伝説からのインスピレーションを源泉として、多くの作品を遺したシベリウス。深い郷愁を感じさせる。



いずれもベルリン・フィルの超弩級の演奏力を目いっぱい引き出した素晴らしいもので、演奏効果の上でも聴かせ上手なカラヤンの面目躍如の演奏となっている。「フィンランディア」は冒頭から凄い迫力で始まる。ベルリン・フィルの低音は重戦車の怒涛の進撃の様。ティンパニィのトレモロも凄い音で迫って来て、金管楽器がここぞとばかりに吠えまくる。ちょい遅めのテンポがスケールの大きさを演出している。「悲しきワルツ」は民謡風のワルツの曲で、どうしてもチャイコフスキーを思い出してしまう。しかもカラヤンとベルリン・フィルが演奏するチャイコフスキーの音色がこんな感じで、やっぱりメランコリックなワルツを演奏するとこうなってしまうのだろう。ウェットな情緒に溢れていて、それでいて立派な演奏だ。交響詩タピオラはこのCDの一番のハイライトだろう。交響曲第7番を作曲した翌年に作られており、シベリウス晩年(と言ってもこの後30年以上生きるが)の傑作だ。さすがに前3曲よりも別次元の奥深さがあり、神秘的で透明感のある音楽が美しい。これをカラヤンとベルリン・フィルが完壁に演奏しきっており、弦の短びやかな音色や歌わせ方、バランスの見事さ、力強い充実感など、オーケストラ音楽の美しさの極致にあるような演奏だ。



国内盤、帯付き　4

盤面うすいすれありますが再生問題無し



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