「肝内胆管癌診断・治療実戦ガイド」
定価: ￥ 4290

裁断されていません。
確認した限り、ページ欠落、破れ、書込みありません。
中古品で個人保管です、ご理解の上、購入ご検討ください。
匿名配送致します。
まとめ買い可能です。

以下、序文より抜粋して転載

肝内胆管癌は原発性肝癌のうち肝細胞癌の次に多い癌腫であるが、肝細胞癌に比 較するとその発生頻度は1/10以下であり、治療に関してエビデンスレベルの高い報 告が多く存在しているわけではない。一方、肝内胆管癌は近年、世界的に発生頻度 が増えており、その腫瘍学的性質や治療予後が次第に明らかになるにつれ、肝細胞 癌や他の胆道癌とは独立したカテゴリーとして独自のステージング、治療戦略が考 えられるようになってきている。そうした背景を踏まえ、2020年末に日本肝癌研究 会から肝内胆管癌診療ガイドライン (2021年版)が発刊された。しかし、肝内胆管 癌の適切なマネージメントに関しては多くの部分でいまだコンセンサスが得られて いるとは言い難く、実臨床において肝内胆管癌をどのようにとらえ、どのような治 療戦略をとるべきであるのかについてはクリアカットな回答がないというのが現状 である。
ガイドラインではエビデンスレベルに基づき、疾患の診断方法、治療選択などが 「推奨」という形で示されているが、実際にそれらをどのように臨床に応用するかに 関しては、我々自身が情報を咀嚼し、実際の患者の状態と照らし合わせ、確率や可 能性を予想しながら、臨床判断を重ねていかねばならない。「切除を考慮してもよい」 とは一体どのような状況を指すのか。一次治療の推奨レジメンが3種ある中からど れを選択すべきであるのか。それは結局、医師の「裁量」に任せられている部分が いまだに大きい。そこで、実際の臨床で最低限抑えておくべき情報を整理し、治療 のガイドとなるような臨床のアウトラインがあるとよいのではないかと考えた。
本書ではエビデンスを網羅することは目的とせず、実臨床に必要な最低限の知識 をまとめ、そこから導かれる最適解を考えていくという形で、肝内胆管癌に対する 現時点でのベストプラクティスとは何か?を考察している。