農家の農業倉庫に長く保管されていた細い竹で編んだ籠です。
細い竹を割ったもので編まれているため、側面の編み目は丸くて優しい印象があります。このために昔の人はあえて加工しにくい細竹を素材にしたのでしょうか。底面は太い竹を繊維方向に薄く平たくそいだ帯状のもので編んでいます。かごの内側は薄墨色に塗られてますが、経年により薄れたような落ち着いた色合いになっています。もしくは泥で染めたのでしょうか。上端、下端とも節の部分の表皮を削り輪形に接合していますが、継ぎ目はひと目見てもわかりません。切り口を斜めに切断して重ねて接着しているようです。上端の直径22.5ｃｍ程度、底面の直径18.0～18.5ｃｍ程度、高さ9.0ｃｍ程度。
画像１～４は斜め上方から4分の一ずつ回転して撮影。画像5は内面、画像6，7は底面です。画像8は細竹の丸みが浮き出た側面の網目模様です。画像9は内面の色落ちした箇所。画像10は上端の丸竹の継ぎ目と思われる箇所です。