ヤマハL10　前期型

1978年前後に購入し、自宅で保管してきたものです。購入後10年ほど使用し、その後はほぼケースに入れっぱなしでしたが、昨年リペアショップで修理、調整しました。L10らしい迫力ある低音と粒の揃った中高音で鳴ります。年代の割にきれいに維持されている方だろうと思います。シリアルナンバーは薄くなって読み取れませんでした。

昨年の修理の内容は、背板剥がれ修復、バインディングの浮き修復、ネック調整などです。弦高は私の測定では12フレットで6弦3ミリ弱、1弦2.5ミリ前後かと思います。ボディ全体に打痕、キズ、擦れなどは多数ありますが、目立つキズや割れなどはありません。パーツは、ブリッジピン以外すべてオリジナルのままです。ペグはすべて滑らかに回りますが、金メッキはかなり剝がれています。

べっ甲製のピックガードは薄い演奏傷程度で比較的きれいです。ナットの２弦付近に欠けがありますが、ビビリなどはありません。またサドルは弦のあたる部分に欠けやすり減りが見られますが、これも現時点では音に影響はありません。サウンドホール内部の力木の周辺に接着剤の跡があります。これはかなり昔に愚かにも素人（私）が浮いた背板の接着を試みた痕跡です。ネックの裏側にもキズが多数ありますが、演奏に影響がでるほどのキズではありません。
ネックの1弦側バインディングは先端部分が１ミリ程度欠けて短くなっています。写真で確認できます。また1フレットの指板に小さな打痕がありますが、演奏上の障害にはなりません。これも写真で確認してください。

ハードケースの外側はそれなりに痛んでいます。しかし内部はとても綺麗で、質の高い仕上りとなっています。金具類も機能上の問題ありません。

製造年...1970年代　ビンテージ
材質名...ハカランダ