①ドヴォルザーク：チェロ協奏曲 ロ短調 作品104

②ブロッホ：ヘブライ狂詩曲≪シェロモ≫　



ミッシャ・マイスキー（チェロ）

指揮：レナード・バーンスタイン

イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団

録音：1988年



伸びやかでノスタルジックな旋律美と華麗なパッセージが魅力的な、郷愁や憧憬を詩情豊かにしかも雄大なスケールで表現したドヴォルザーク。マイスキーは振幅の大きい濃密な表現によって音楽性豊かな演奏を聴かせています。今は亡きバーンスタインの好サポートも光ります。



第1楽章の管弦楽呈示部は、晩年のバーンスタインらしく遅めのテンポで旋律が壮大かつ濃厚に歌われる。この後、テンポを速めてチェロを迎え入れます。マイクが大きく音を拾っているせいもあり、独奏チェロの第1主題は予想したより雄渾です。マイスキーらしく豊かな感情が盛り込まれたもので、とても聴き甲斐があります。第2主題も旋律をよく歌い込んでおり、その後も独奏チェロを中心に音楽が高潮していくところは聴いていてワクワク。展開部のオーケストラはスローテンポに戻り、重く粘った演奏が続くと思いきや、元に戻り、独奏への配慮は欠けていません。再現部の第2主題を独奏は伸びやかに歌い上げ、その後も時に力強く、時に優しく、表現の幅の大きなチェロが盛り上げていきます。最後のオーケストラは速度を落として壮大に終えます。



第2楽章は、木管楽器による牧歌的な主題が美しく、それを引き継ぐ独奏はそれに負けない豊かな歌を披露します。これだけ陰影濃く弾くチェロも珍しいでしょう。中間部は独奏チェロが切なく弾く第2主題に心惹かれます。第3部のカデンツァ風モノローグも味が濃く、切々とドヴォルザークの音楽が歌われていきます。



第3楽章のオーケストラは意外にも普通の速度で、導かれたマイスキーは雄渾に主要主題を完全な形で弾き上げます。第1副主題も少しなよなよしたところがありますが、楽器に感情の全てを乗せて歌います。3連音の下降アルペジオに始まるカデンツァ風の部分も胸のすくテクニックを披露します。民謡調のメロディの第2副主題もマイスキーは心を込めて演奏し、ヴァイオリンとの二重奏も十分情熱的です。気持ちが音に乗った演奏が続きます。



国内盤、帯付き(背部分色褪せ)、盤面傷無し　



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