今回の出品は、ハセガワ 1/24 20272 ジャグヮー XJR-8 ル・マン タイプ です。
ジャガー・XJR-8は、1987年世界スポーツプロトタイプカー選手権（WSPC）用にTWRが製作したグループCカーです。通常の1000kmレース用、ル・マン24時間レース用の低ドラッグスペシャルのXJR-8LMの2タイプが存在します。エンジンはXJR-6と同じV型12気筒ですが、排気量は6,995ccに拡大されました。モノコックはカーボン製で、サスペンションはXJR-6を踏襲。タイアはフロント17インチ、リアは19インチと大径であることからドライブシャフトには角度が付けられていました。WSPC開幕戦ハラマ（スペイン）でデビューウィン、以降ポルシェ・962C相手に開幕4連勝、万全の状態でル・マン24時間レースに挑みました。ライバルのポルシェが続々とリタイアし、序盤からレースをリードしましたが、ジャガー陣営の最上位はXJR-8LMの4号車で、24時間で4394.891kmを平均速度183.121km/hで走り5位でした。しかしこの年のWSPCでは全10戦中8勝とシリーズを圧倒してポルシェを下し、初めてチームとドライバーの二冠を獲得しました。ル・マン24時間レース用に作られたXJR-8LMは、耐久性を考慮し、ドライブシャフトに水平に取り付けるためにエンジンを前傾させて搭載。他にカウルの肉厚化、リアタイアスパッツの撤去等。リヤウイング、ディフューザーは小型化されています。またパーツ交換が短時間で行えるように設計されていました。
キットはエンジンレス・モデルですが、ハセガワさんらしい繊細なディテールでジャグヮー XJR-8の流麗なスタイルを見事に再現しています。独特のセンス良いマーキングは大判デカールで再現されており、ボツクスアートにはSIK CUTロゴはオミットされていますが、付属するデカールにはきちんとロゴデカールが付いていて安心です。キットは冷暗所保管で、剥き出しだったデカールは密封フィルムに入れて保管していましたので極めて良好なコンディションです。ル・マン／スプリント 両タイプの違いを作り比べられるのも模型趣味の醍醐味です。