集英社「りぼん」昭和43年２月号ふろく
「りぼんカラーシリーズ」No.58
松尾美保子「白鳥」(原作：広沢栄)

日本とイギリスの両国で
プリマ・バレリーナとして活躍し
1997年に大英帝国勲章
2004年に紫綬褒章を受章した
国際的なバレエダンサー・バレエ指導者
大原永子(おおはらのりこ)の少女時代から
バレリーナとして成功するまでを描いた作品

写真19のように最後４ページが欠けていますが
もう１冊、良品を持っているため
写真20のようなコピーを添付します

松尾美保子は
若木書房の貸本向け単行本や
「少女」で執筆活動を開始
「少女フレンド」に「北風さん」
「マーガレット」に「エリーゼのために」
「なかよし」に「ふたりだけのゆびきり」
などを連載し次第に人気を集めます

「なかよし」に「ガラスのバレーシューズ」の
連載が始まると人気が爆発、看板作家として
次回作「ゆめのバレリーナ」との２作品で
まる３年間カラーページを飾ります

小学舘の学年誌で「なみだのバレーシューズ」
「いのりのバレーシューズ」など
「少女コミック」で
「ひとりだけのバレエ」「バラ色のスキャット」などバレエマンガを次々に執筆するかたわら
歴史ものや世界名作にも挑み
「希望の友」に「王女ナスカ」「若草物語」
「アルトハイデルベルカ」を連載
「少女コミック」ではスポーツマンガ
「スパイクは知っている」「栄光のバトン」と
ジャンルを拡げます

次第に高い読者層対象の作品が増え
「ファニー」「女学生の友」
「別冊セブンティーン」などに執筆後
「女性自身」の「哀愁美容室」が
長期連載となりました

「りぼん」の別冊ふろく
「りぼんカラーシリーズ」は毎月
128ページ大長編の新作読切作品が掲載され
昭和38年５月号から44年９月号まで77か月間
ひと月も休まず刊行されました

マンガはくだらないものとされ
ＰＴＡによる悪書追放運動などの
やり玉に上げられた時代
すぐれた作品を届けたい
マンガはくだらないものばかりではないと
読者にも親にも伝えたい編集部の思いが
心に突き刺さります

77冊も続いたシリーズでしたが
現在と違って雑誌掲載作品がコミックスとして
単行本化される習慣のほとんどなかった時代
単行本化された作品はごくわずかで
今では読む機会がありません

昭和少女漫画ファンのかた
いかがでしょうか