「徽墨」（きぼく）は、書道を志す人にとっては、垂涎の的（すいぜんのまと）となっている、墨の至高の名品です。

　今回紹介するのは、中国安徽省の歙県老胡開文墨廠の製品で、華麗な鶴をかたどった名品です。書道の大成を志している方には、お守り代わりにそばに置いておきたい逸品です。美麗な箱とともにお届けします。

　中華人民共和国を旅行をした際に、現地でかなりの高額で１０個ほど入手したうちのひとつです。華麗な鶴の彩色が、表だけでなく裏面にも施されている名品です。「徽墨」の素晴らしさを一人でも多くの方に知ってほしく、今回、そのうちのひとつをお分けすることにしました。

　実際に墨として使うのは、あまりにも惜しいので、飾り物、縁起物として手触れていただければと思います。収集家も多く、転売目的の方も歓迎します。

　中国の五代十国時代に江南に割拠した国のひとつに南唐（なんとう、937年から975年）がありました。

　この地で墨を作っていた墨匠の李廷珪らは、今回お分けする「徽墨」の名で呼ばれる安徽墨業の基礎を築きました。現在まで伝わる当時の製品は、今日まで国宝として伝わっています。

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