校正の必要から、自作を通読し、過去の作品に拘泥せぬたちながら、さすがに或る感慨があった。いくつかの作には愛着を感じ、けれど全体としては、浅ましさが先に立った。十九才の作　成長　から、近作　追分　に至るまで、私の作品は、変化しているようで変化していないし、
私自身は、変化していないようで、変化しているーーと
私には思えた。

１９６４年１０月
この本の　後記に
谷川俊太郎さんが
書かれています。

発行されたのが
１９７０年９月
思潮社

半世紀を越えた詩集です。
確かに、本の装丁などは
古くて笑ってしまうかも。

でも、ページをめくってもらえればわかります。
文字が、今も生きています。
文章が、生き活きしているんです。
今にも、飛び出してくるような。
谷川俊太郎さんの凄さが
心に、響きます。