荒木！/ Araki！飯沢　耕太郎 / Kohtaro Iizawa

日本を代表する写真評論家である飯沢耕太郎による作品集『荒木！』。その名の通り、飯沢による荒木評論集で、1970-1994までの全作品集成も巻末に収められています。「はじめに」「駆け足の伝記」「ヨーコ」「荒木世界」「東京物語」「愛の部分」「死の舟」「幸福な家族」の章立てで、時系列に、荒木と作品の紹介がなされています。「さっちん」や「ゲリバラ」から始まり、実質的な処女作とも言える『センチメンタルな旅』は、全108図版の複写も収録されています。そして「荒木世界」と言われ、「一冊全部荒木メディア」の『写真時代』を皮切りに、末井昭という名プロデューサーとのタッグで爆発的に突進し続けた80年代の様子。最後に最愛の妻・陽子を亡くし、よりセンチメンタルな色を濃くして、花や風景を多く撮影し始める90年代までの全貌が、コンパクトかつ濃厚にまとめられています。