ベートーヴェン　2枚組

disc 1

①ピアノ・ソナタ 第28番 イ長調 Op.101

②ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 Op.106「ハンマークラヴィーア」

disc 2

③ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 作品109

④ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 作品110

⑤ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111



ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)

録音:1971-1980年



ベートーヴェンのピアノ・ソナタ、崇高な最後の5曲です。アシュケナージはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集でレコード・アカデミー賞を受賞していますが、その全集の中でも特に後期のピアノ・ソナタの評価が高いです。ポリーニのような鋭さはありませんが、ピアノの音の美しい響きはアシュケナージならではのものです。優しく柔らかく聴く人に寄り添う演奏です。ベートーヴェンにしては美しすぎるとの意見もありますが、美しいのが悪いはずはありません、どうかこの美しさに浸ってください。



後期ベートーヴェンのピアノ・ソナタは難解ですが、聴きこむごとに誰にでもその良さが判ってきます。特にこのアシュケナージの演奏は理屈抜きに美しいと感じさせてくれます。第28番は後期ベートーヴェンの幕開け的な曲とされていますが、確かにそのとおりで一楽章はまだ中期ベートーヴェンのロマンテイシズムの香りを残したものですが、最終楽章のフーガにおいては後の後期弦楽四重奏曲の先駆をなすもので、楽想は自由闊達に躍動しアシュケナージの演奏は超絶技巧の腕前を存分に披露してくれています。さらに第三楽章はベートーヴェンの心象風景が見事に表現されていると思います。第30番、第31番の絶妙のタッチでテンポとピアノ、フォルテが表現されている。これほどにもベートーヴェンの感性はナイーブだったのかと改めて驚かされる。ここにはわざとらしいみせかけの巧みな表現はなくベートーヴェンの最後に語りたかった「音の言葉」が綴られています。いずれも真珠のような美しさをもった名曲です。



輸入盤【西独盤】盤面傷無し 22

日本語ライナー(解説書)付き（少しシワあり)

プラケース少しすれあり



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