①メンデルスゾーン：ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64

②チャイコフスキー：ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35



ジョシュア・ベル（ヴァイオリン）

指揮：サー・ネヴィル・マリナー①

アカデミー室内管弦楽団①

指揮：ヴラディーミル・アシュケナージ②

クリーブランド管弦楽団②

録音：1986、1988年



透明度の高い素直な演奏で、アクの強い演奏が好きな方には向いていないかもしれません。清々しいほどのニュートラルな演奏。録音状態は極めて良いです。



チャイコフスキーは、クリーヴランド管の通る音色のなかを、ヴァイオリンが、ゆったりとソロで描く。タメ感を持ちながら、弾んでいくリズム感も良く、太めのヴァイオリンの音色で、重音も良いし、高い音になると、すきっと青空が見えるかのように明るい。低音のフレーズを丁寧に描いており、わざと太く振るわせているのか、ゆったりと弾いており、できる限りタメている。しかし、けっして弾き飛ばすことなく、丁寧で清潔だ。フレーズの最後まで、きっちりと音が出ている。オケの金管のパッセージも、一音もゆるがせにしないかのようにきっちり。ヌケるような蒼い空のもとで、奏でられているような清潔さ、曇りのなさ、湿気感のない、気持ち良さがある。若い瑞々しい音色で、高音域の響きも良く、ヴァイオリンの細い音色の美しさに、心を奪われる。



メンデルスゾーンは情感豊かで精緻。パッションも感じられる。ほどよく引き締まったスマートさがあり、綺麗すぎるほど綺麗。ことらも丁寧に最後まで一音もゆるがせにしないで、フレーズを丁寧に、字余りにならずに、弾ききっているところがすごい。録音状態が極めて良いので、アクの強い個性盤が多いなか、曲本来の魅力をストレートに感じらるニュートラルな演奏。あまりにも有名なこの曲は、クラシック音楽を知らない人でも「ああ、この曲ね」と言うに違いない、出だしからとても印象的な、きれいなメロディーの曲です。クラシック音楽の楽しさを教えてくれる、堅苦しさのない曲です。バイオリンの良さも、とても良くわかると思います。



国内盤【廃盤】帯付き、盤面傷無し



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