「値段」で読み解く魅惑のフランス近代絵画
高橋芳郎
幻冬舎
¥1400+税

絵を描く人は近代以前にも数多くいましたが、彼らは誰かの依頼で職業的に肖像画などの絵を描く「職人」でした。今日私たちが「画家」という言葉を聞いてイメージするような、絵画を通じて自己表現を行う「芸術家」という概念は、近代フランスにおいて誕生したのです。
……。
現在、芸術作品である絵画を商品として売買できるようになったのも、すべては19世紀後半のフランスにおける近代絵画の隆盛があったからです。フランス近代絵画は、現在におけるモダンアートの源流であると同時に、絵画芸術のピークでした。
〈プロローグ　より〉


　作品の「値段」を見れば
「巨匠たちの絶頂期から低迷期までの　
　画風の変遷」がわかる！
　モネ　ルノワール　セザンヌ　
　ゴーギャン　ゴッホ　マティス
　ピカソ　ユトリロ　モディリアーニ
　藤田嗣治　シャガール


意外な絵に高値がつく？絵画ビジネスの不思議
絵画の値段はどうやって決まるのか？
絵画の価値は価格だけではない
絵画の所有は社会的ステータスになる
絵画を買う人たちはどんな人たちなのか？
絵画は本物を持つことに価値がある
〈第１章　より〉


当時、ヨーロッパの激動の中心地となったフランス。……。18世紀から19世紀のフランスは、政治的にも文化的にも、熱気のある時代だったのです。
その結果、18世紀から20世紀にかけてのモダン・アート(近代美術)は、フランスを中心に発展することになります。……。
初期印象派ともいえるマネやドガは、ドーミエやクールベの流れを受けて、きれいなものだけを描くという従来の絵画の約束事にとらわれず、決してきれいごとだけではない、”目の前の現実”をそのまま描こうとしました。そのために、印象派は当時の画壇から大声で非難と拒絶を受けたのです。
マネやドガに続いて、技法の面でも革命を起こしたのが、モネとルノワールでした。……………
〈第２章　より〉


美品