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平成二十一年七月
ごあいさつ
第六十一回毎日書道展特別展示として「篆刻家 松丸東魚の全貌―――搜秦墓漢の生涯― します。
を開催
松丸先生は戦前、戦後を通じ日本を代表する篆刻家であるとともに、昭和二十三年に第一回展を開 催した毎日書道展の創立に参加され、諮問委員などの重責を担われ、今日の毎日書道展の繁栄を築か れた柱石の一人であります。先生は印の芸術である篆刻の規範を秦漢古印にもとめ、古印の墓刻を生 涯貫き通されました。本展にはこの墓古印三百三十顆を始め、毎日書道展に出陳した刻印、先生作成 の印譜のほか、戦後の漢字制限による正字の消滅に奮慨し、十数年の歳月をかけて制作した二万字と もいわれる木活字、更に書作品、木額、刊行物に加え、先生がこよなく愛した中国文人の書や刻印な ど、千点余の作品を展観し、文人松丸東魚の世界を余すところ無く展覧します。
先生は昭和二十六年の第三回毎日書道展で「篆刻の観方」として一文を寄せられ、その最後に「各 文字の配合や輪郭との調和、印刀の用い方、切れ味古色の風韻等について観賞せらるれば、愛すべき 小さな一つの印影は諸君を静かな楽しい境地に誘ってやまないだろう」と語りかけております。先生 のこの言葉を借りて、皆様にご高覧を賜れば、主催者としてこの上ない喜びであります。
最後になりましたが、特別展示にあたり、貴重な作品をご出品いただきました古河歴史博物館、篆 刻美術館、徳島県立文学書道館、新潟市会津八一記念館、石川県立美術館のほか、松丸道雄先生をは じめ多くの収蔵家の皆さまに心から御礼申し上げます
毎日新聞社
財毎日書道会

表紙小傷。ページ小黄ばみ。ご理解の上、ご購入下さい。もちろん読む分には問題ありません。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。
また複数冊ご購入いただいた場合同梱発送を予定しております。ご理解のほどよろしくお願いいたします。