「松本清張全集 60 (聖獣配列)」

松本 清張

定価: ￥ 3107



#松本清張 #松本_清張 #本 #日本文学／小説・物語



購入時に付いていたパラフィン紙や月報はありませんが、ほとんど新本に近いものです。



『銀座のクラブ「シルバー」のママ中上可南子は、日米首脳会談のために来日した米大統領ジェームズ・バートンに招かれて迎賓館で一夜を共にした。 12年前、赤坂のキャバレー「トロピカーナ」のホステスだった可南子は、上院議員として来日したバートンと情熱の夜を過ごした思い出があった。二人の再会をセットしたのは議員秘書倉田重三郎と大統領秘書官アーサー・ジェフスンだった。払暁目を覚ました可南子は、バートンと磯部首相の秘密会談を終えて部屋から出てくる場面を目撃、持参したカメラのシャッターを切った。写真には両首脳の他に通訳のジェフフスンと通産省国際室長杉浦雄之輔、仲介者と見られる白人の巨漢が写っていた。その写真の価値に気づいた可南子は、訪英中のバートンを追ってロンドンに飛び、ネガの一部を脅迫材料としてジェフスンから大金を出させることに成功する。そのころベルギーの米軍基地から正体不明の貨物を積んだ２台の冷凍トラックがスイスへ向い、在ジュネーブ日本代表部参事官に転出した杉浦とオランダのレストラン経営者になった倉田がその監視に当たった。金を受け取るためにジェフスン夫妻とともにスイス入りした可南子は、ホテルの社長で個人銀行の共同経営者でもあるワルター・シュルツに紹介されたが、シュルツこそ払暁の秘密会談を仲介したあの巨漢だった。可南子はシュルツの銀行に設けたナンバー・アカウント(口座)に脅迫で得た資金を預け一方、シュルツの手ほどきで次期主力偵察機の売買に伴うコミッションの受け皿会社を東京に設立する。そのころ、杉浦、ジェフスン、倉田がヨーロッパ各地で次々に不審死をとげた。身に危険を感じた可南子は与党反主流派の実力者木内泰久を頼ったが……。大統領の一夜妻の視点から現代政治の中枢に潜む利権の闇に照明を当てた国際陰謀サスペンスの力作。スイスの銀行の内幕描写などに綿密な現地取材が生かされている』



――松本清張事典より