●江戸和本●扶桑蒙求（明治4年） ★ゆうパック着払い

【判型】大本3巻3冊。縦259粍。

【作者】根岸嶰谷（カイコク、岸鳳質・根岸典則ツネノリ・文卿）作。

【年代等】天保14年10月初刊。明治4年8月再刊。［東京］須原屋伊八ほか板。

【備考】分類「漢詩文」。日本神話から中古・中世までの歴史的事件を四言300句の史詩形式で記した書。中国唐代の児童用教科書たる李瀚作『蒙求』にならって編まれたもの。『蒙求』は、伝説上の堯舜から六朝時代までの歴史的人物の伝記や逸話を一事項を漢字4字1句にまとめたものだが、本書でも、「諾尊探海（ギソンウミヲサグル）、玉依夾矢（タマヨリヤヲハサム）、瓊杵鏡劔（ニギキョウケン）、顕宗曲水（ケンソウキョクスイ）」のように同形式で綴る。上巻は「諾尊探海」（伊弉諾尊・伊弉冉尊の国生みの神話）から「兼好歴遊」（吉田兼好の諸国遊歴と『徒然草』執筆等）までの100句。中巻は「敏蔭教琴」（藤原敏蔭（清原俊蔭）が波斯国から秘曲や霊琴を本朝に伝えた故事）から「豊国猿面」（豊国秀吉（豊臣秀吉）が信長から猿に似ていると言われた故事）までの100句。下巻は「良房帯劔」（藤原良房が文徳天皇より宝剣を賜った故事）から「時頼巌窟」（斉藤時頼（滝口入道）の出家にまつわる故事）までの100句。合計300句を掲げ、各句について平易な解説（漢文）を付す。

★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格（初出品時の相場）：日本の古本屋で、16,000円（刊年不明、虫損）～20,000円（天保板）】。

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