シューマン　２枚組

disc 1

①子供の情景Op.15

②クライスレリアーナOp.16

disc 2

③幻想曲Op.17

④幻想小曲集Op.12



マルタ・アルゲリッチ (ピアノ)

録音:1983年、1977年



disc1は、アルゲリッチの特色が最大限に発揮されたアルバムです。「クライスレリアーナ」では、これ以上ロマン的な表出は不可能と思われるほど自由奔放で、息もつかせぬ面白さが満喫できます。「子供の情景」はそれに比べれば抑制が効いていますが、ここでも各曲のファンタジーを精妙に弾きわけています。2017年の名曲名盤500では、クライスレリアーナは第1位、子供の情景は第3位に選定されています。これはアルゲリッチのピアノ・ソロ最後の正式セッション録音としても貴重です。



アルゲリッチといえでも、すべての録音がベストであるというわけではない。しかし、このCDは間違いなく名盤である。アルゲリッチは≪子供の情景≫の「第１曲：知らない国ぐに」を比較的ゆっくりしたテンポで弾き、この作品をじっくり聴かせようという意図が窺える。全曲を通して穏やかな演奏であり、アルゲリッチの母性が感じられる。シューマンのピアノ曲中最高傑作ともいえる≪クライスレリアーナ≫は、うってかわって殺気を帯びているといってもいいほど激しい演奏で、この作品のデモーニッシュをあますところなく表現している。奇数番の曲は激しく鮮烈で動的であり、偶数番の曲は憂鬱に沈んで静的であるが、アルゲリッチの演奏は、この作品が持つ難解なイメージを明晰に表現している。



disc2は、ロンドンのクィーン・スクエアのセント・ジョーンズ教会で録音されたもの。アルゲリッチはこの時36歳、演奏家としてピークを迎えた時期の録音です。アルゲリッチが「夢見るように弾くことだ」とコメントした幻想曲がやはり秀逸です。アルゲリッチ・ファンには必聴盤と言えるでしょう。「幻想曲」は、リヒテル盤やポリーニ盤と並ぶ、超弩級のスケールと思いっきりの感情移入をした演奏です。「幻想小曲集」は力むことなく、ハイスピードで、当たり前のようにサラっと、文字通り「飛翔」させた演奏です。アルゲリッチの指から紡ぎ出される美しい音、情熱的に躍動するシューマンです。



国内盤、帯無し、盤面傷無し　CD club盤17

まずまずの美品です



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